嵐山 “吟行” 俳句を楽しむ 投句ウォーキング

                           世話役 四藤 一憲

 昨秋10月に開催された、わいず倶楽部主催の“俳句を楽しむ会”に参加し、有意義な時間を過ごすことができた。京都“嵐山吟行”を新聞で知り、“吟行”というものに憧れもあり、直ちに応募したが、一抹の不安もあった。
 かつて、神戸での“清盛ウオーキング”では500名もの応募があり、どうにか参加することができたが、長岡京探訪ウオーキングでは抽選で外れたことがあったからである。
 集合場所である嵐山の中の島公園の東屋には既に20名ぐらい集まっていたが、最終的には約40名が参加したようである。我々は2班に分かれ、渡月橋を渡り、保津川沿いに山道を歩き、亀山公園に至るルートである。
 道中、リーダーの講師は、相応しい季語をポンポンと出してくれる。例えば、爽やか、秋日和、白鷺、薄紅葉、水澄む、小鳥来る等など。我々はそれぞれメモをとり、時折講師に質問する。さすがに講師は良く知っている。話がどんどん広がっていくのである。特に、植物の名前は知らないものばかりで、大いに勉強になった。
 野宮神社に寄って天龍寺へ向かった。天龍寺の境内が終点で、ここで2句短冊に書き、提出することになる。小生、なかなか句が頭に浮かばず焦った。
 嵐 峡 の 水 面 に 写 る 薄 紅 葉
 落 柿 舎 の 柿 は 何 柿 秋 日 和
の二句を提出した。冷汗三斗の思いである。
 風景や事物を観ながら、俳句を捻るのはしんどいが、提出してしまうと安堵感でホッとする。この瞬間が楽しい。
 嵐山吟行をきっかけに、講師の主宰する句会に参加させていただいた。12月には京都御苑での吟行、句会に参加した。吟行2時間で6句提出。休憩をはさみ、選句講評である。
当日の参加者は14名だった。女性が少し多く60歳代から70歳代とお見受けした。母娘で参加されている人もいた。選句は、一人1点一番良いと思う句を選びその理由を発表するもの。ドキドキする瞬間だし、集中して聞いていなければならない。
 主宰の講評を受けていると3時間はあっという間に過ぎていた。主宰は2007年5月26日付け読売新聞に大きく紹介されていた。俳句を楽しむ よすがとして、「芭蕉句碑探訪」も見逃せない。小生は週末を利用して、松尾芭蕉の句碑を尋ねることも秘かな楽しみにしている。作句年月日、句意、背景などを調べ、デジカメに収めるのである。近畿一円に存在しているので、少しずつ踏破しようと思う。
 大垣や伊良湖岬、出雲崎への探訪はいい想い出となっている。『芭蕉紀行』(嵐山光三郎)は良き案内書であった。東京、三重県上野市、奥の細道ルートもいずれ訪れたい。